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爆笑さんの準指検定会体験記

一日目 2004年3月12日(金曜) 天候:晴れ


第一種目 【プルークターン(トップ&テールコントロール)】

いよいよ検定会の始まり。
最初の種目がなんとも中途半端な種目プルークターン。全種目9種目中、受験生の個性が一番出る?種目。何を隠そう自分がその迷える個性豊かな?受験生の一人。とりあえずリラックスして滑ることだけを考えて滑ろうと心に誓う。最初の人がスタート。そして二人目、三人目と続く。緊張のせいか動きが硬い、そして弧が小さい、そしてエッジングが急激な人が多い。
そして自分のスタート。プレターンから最初のターン。”あ、まずい!弧が小さい、エッジングが急激すぎだ” とフィードバックし、2ターン目以降運動のリズムを少しゆっくり目に調整。そしてゴール。
よかったのか悪かったのかあまりよくわからない。撮影したMIHO&NOBUも微妙な表情。“いきなりやってしまったか” と思いビデオでチェック。ビデオで見る限り別にそんなに悪くない。“まあいいか” と思い次の種目バーン(ファミリー)へ移動。それにしても最初の種目だけにかなりの緊張。


第二種目 【大回り(トップコントロール)】

第二種目はがらっと変わってトップコントロールの大回り。
とりあえず本番前に1本だけ練習がてら検定バーンの横のコースを試走。適度に硬く、エッジもかんで滑りやすい。“よし、これは気持ちよく飛ばせばいいんだな” とちょっとリラックス。
そして本番のスタート。プレターンから最初のターン。“あれ?硬い?さっき滑った雪とちがう” と少し焦ってしまい、ただでさえ遅れ気味の切り替えがさらに遅れぎみに。なんとか後半自分なりに持ち直しゴール。と思いきやゴールで転倒一歩寸前に。おっとっとあぶないあぶない。
“会心の滑りを本番でするのはなかなか出来ないなあ” と思い、Tさんの順番を待ちながらしばらく休憩。


第三種目 【不整地小回り(トップ&テールコントロール)】

午後の種目は自分の中では得意?と思っている種目のコブ斜面での小回り。菅平では検定バーン(裏太郎)が唯一のコブ斜面ということで、最初の一本目が本番ということになる。条件はみんな一緒なのでそれはしょうがない。
コースを上から見た限りでは3コースほどラインがある。上から見て左が一番深いコブ、真ん中が浅めのコブ、右端はほとんどコブがなく、最後のほうで少しだけあるような?ライン。順番待ちで他の人を見た限りでは、やはりコブが得意そうな人は左のラインを選んでいる。“よし俺もせっかくのコブ斜面なんだから、一番深いラインを行こう” と決心。
そしてスタート。けっこう硬いアイスバーン気味。5,6ターンほどしたあとコブが一瞬なくなる。“あれ、コブがない” と思った瞬間リズムが途切れ、コースアウト気味にラインをはずしてしまった。“まずい早くコブのラインにもどらないと” とラインを探したがラインがみつからない。そうこうしている内にゴール。
今度こそほんとうにやってしまった!だれが見ても失敗! 撮影してくれたNOBもあ〜あというような顔をしている。得意と思って一番リラックスして挑んだ種目が大失敗。“やっぱり緊張しているぐらいのほうがいいのかなあ” とため息。
くよくよしてもしょうがないので気持ちを切り替えて次のバーン(日の出)へ移動。


第四種目 【プルークボーゲン(テールコントロール)】

日の出に移動してみると、裏太郎のアイスバーンとうってかわってグサグサのザラメ雪。“うああ、このグサグサ雪でプルークボーゲンかよ、やりずれーなあ” と独り言をいい、とりあえず検定バーンの横をプルークボーゲンでひと滑り。やっぱり滑りづらい。しかし“いやまてよ、割とプルークボーゲンが得意な(と思っている)俺が滑りづらいということは、苦手な人はもっと滑りづらいに違いない“ と思い直し ”よーし最高のプルークボーゲンを見せてやる“ とちょっと燃えてきた。初めていい緊張感が出てきた(よりによってプルークボーゲンなんかで)
順番待ちで前の人達の滑りをみると、みんな同じコースを滑っているのでラインが出来てしまっている。確かにラインにそって滑るのは抵抗がほとんどないので滑りやすい。ただ、大して動かなくてもそれなりに滑れてしまうので、ただでさえ動きが見せにくいこの種目で動けなかったら意味がないと思い、あえてラインを無視して滑ることに決めた。
そしてスタート。プレターンこそラインにそって滑ったが、最初のターンからラインをはずしてみた。一瞬ラインとの段差に乗り上げるような感じになり後傾ぎみに。”い、いかん“ と思い次のターンで何とか修正。”よーし、あえてグサグサのところを滑っているけど、ジャッジからはラインを滑っているかのように見せてやる“ と強気の滑りでゴール。
四種目めでようやく納得できる滑りが出来たことで満足。


【理論】

宿で夕食を済ませた後、宿のバスで理論検定の会場に移動。
筆記テスト(マークシート方式)なんて、こういうことをやるのも久しぶりだ。
全くノーマークの分野から問題が出ていたりして焦ったが、間違いなく合格点は取れたはず。
宿に帰り、ビールで ”ミニお疲れさま会” を開き、これで第一日目は終了。



二日目 2004年3月13日(土曜) 天候:晴れ

第一種目 【小回り(テールコントロール)】

朝一の種目が左太郎での小回り。左太郎コースは規制されているので試走がこれまた出来ない。よってまた一発目が本番ということに。小回りは大回りより自分としては得意と思っているので、あえて条件が悪い(アイスバーン)ほうがいいなあと願う。順番待ちで前の人の滑りやエッジングの音を聞くと、確かに硬そうな音がしている。ただみんなけっこう無難に滑っているので、固めだけど結構かむ(エッジが)雪だろうと推測。
そしてスタート。最初の2〜4ターンで雪の感触を確かめる。“なるほど確かに固めだけど滑りやすいじゃん” と緊張しつつもリラックスして気持ちよく滑り降りた。
出来としては、特に会心というわけではないけど無難にこなしたのかな?というところ。撮影してくれているMIHO&NOBUもとりあえずOKというような表情だったので一安心。


第二種目 【シュテムターン(テールコントロール)】

移動してみたら前の前の班がまだ終わってなかったので、サポートをしてくれているMIHOさんに練習がてらビデオ撮影をお願いする。滑りをビデオでチェック。“ううん開きだし(シュテム)が少ないから本番では少し大きめにしよう” とのんびりイメージトレーニングをしていたら、けっこう時間が過ぎてしまいあやうく遅刻するところに。点呼をとりあえず取ってもらい一安心。スタート前に“運動のリズムと落差”、そしてさっきチェックした“シュテムの開きだし大きめ” を注意する。
そしてスタート。いったん滑りだしてしまうと、ただでさえ緊張しているのに、いっぺんにいろんなことは考えられない。スタート前に意識したシュテムの開きだし大きめはすっとんでしまった。そしてゴール。でもそれなりにリズムよく滑れたことは実感あり。
撮影してくれていたNOBUのほうを見ると“OK、ベリーグッド” の声が。“ああ、なんかよくわからないけど、けっこうよかったんだ” と思いけっこういい気分に。撮影してくれたビデオを見てみると確かにいい。“なんだ、おれって結構うまいじゃん” と会心の滑りに気分よく白銀食堂へ。


【おひる】
白金ゲレンデ下にある白銀食堂の肉うどんはうまい。肉の甘辛い味付けと、関西風のつゆがなんともいえないハーモニーをかもし出している。スキー場のいわゆる“ゲレ食”は基本的にうまくない(まずい)が、ここの肉うどんはそこらへんのうどん屋(町の)のうどんなんかよりもぜんぜんうまい。


第三種目 【制限滑降】

制限滑降と聞くとなんかいやな気分になる。と、いうのも制限滑降は自分にとって結構トラウマなのである。
昔(5年前)にテクニカルを受験した時に最後の種目で制限滑降があった。その時の事前情報によると、「よほど遅くない限り制限で落ちることはあまりない」と聞き、“そうか、じゃ絶対失敗しないように安全に滑ろう” とあまり攻めずに、というより全然攻めずに(あとでビデオをみてみるとプルークターン)滑った。結果はなんと制限滑降×。確かにすんげ〜遅かった。
準指の場合、合格ラインは平均タイムの120%以内ということなので、結構やさしいとは思ってはいるものの、いやな緊張感がただよってくる。とりあえず上着を脱いで少しでもロスを少なくすることを考えた。
そしてスタート。とくに攻めるでもなく、安全でもなく(すくなくともプルークターンではなくパラレルターン)で滑る。後半で結構落とされたが無事ゴール。
タイム的にはやはりなんか遅いような気がする。でも120%なら大丈夫だろうと思い、Tさんに愛用のインナーウエア(ぽっかるん:ダイクマで¥1900)を渡して(日の出)に移動。


第四種目 【中回り(トップコントロール)】

2日目は初日よりも気温が高いので、昨日以上にグサグサだろうと思い日の出に行ってみる。すると確かにグサグサだが、中回りの検定バーンとして仕切られているところだけは見事に整備されている。
トップコントロールの中回りといえば、自分にとって一番苦手な種目である。
とりあえず、あせらずゆっくり運動することだけを考えて順番を待つ。前の人の滑りを見てみると、結構弧が小さい人が多い。規定では6ターン以上ということになっているが10ターン以上している人も少なくない。“よーしおれは6ターンから8ターンでゴールするぞ” と思ってスタートしたが、結果的には10ターンもしてしまった。動きのリズムが緊張のせいか、やっぱり早くなってしまったか。これは失敗だと少しブルーに。
ビデオを恐る恐るみてみると、確かに自分の悪い癖も出ているが、それほどターン弧も小さくもなくそれほど悪くない。自分の今の技量としてはそれなりの演技が出来たような気がする。



最終日 2004年3月14日(日曜) 天候:晴れ

最終種目 【大回り(トップ&テールコントロール)】

いよいよ泣いても笑っても最後の種目。都連も最後は気持ちよく滑ってもらうためにこの種目を最後にしたのだろうと、その配慮に少し感謝。ただ見ているひとにとってはちょっとつまらない種目かも。
とりあえず最初のスタートを見るために裏太郎に移動。最初の人が滑る。なるほど、確かに気持ちよさそうに滑っている。何人かの滑りを見たあと、自分のスタートまで時間があったので表太郎で4,5本練習をしてまた裏太郎に戻る。今度は男子が滑っている。でも、よく見てみるとうまい人はほとんどトップコントロールで滑っている。ずらしている人は、ずらしている、というよりずれちゃっている、というようにもみえる。“え?これはトップ&テールコントロールなんだよな” と少し疑問に思いながらスタート待ちへ。
“とりあえず80%の滑りで気持ちよく滑ろう” と自分に言い聞かせスタート。2ターンから3ターン。“結構気持ちいいじゃん” と思いながら4ターン目に。ちょうどそのぐらいから斜度が緩めに。そしたらカービングターンに。“あ、いかん少しずらさないと” と思い次のターンは舵取りであえて少しずらしを加えてゴール。
これでとりあえず全ての種目が終了。



【結果】

なんとか合格。受験者数580人中、合格者183名。合格率31.5%。



【準指受験を終えて】

自分では結構失敗もあったので五分五分か6:4で駄目かなと思ったが結果的には合格。それにしても3日間も緊張感を持続させるのは結構疲れました。
私の場合、準指検定は2回目ということもあり喜びも格別でした。今回惜しくも合格できなかった人も、またチャレンジすることをお勧めします。一発で合格するにこしたことはないけど、一度不合格した後に合格したほうが絶対嬉しいことまちがいなしです。合格発表で歓喜のために泣いている人もかなりいましたが、その人たちも何回か失敗したのち合格したのだと思います。
今回の検定会は久々に若かりし頃の自分にもどった気分になりました。
これからも新たな目標をもってスキーを楽しみたいと思います。


爆笑




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